そしてそれはどちらであればよかったのだろう(オリジナル・スープ)/ホロウ・シカエルボク
 
ちを覚えた、黙れよ、クソヤロウ、おれは口の中でそう呟いたがなんの意味もなかった、やつらは息継ぎさえしなかった、それはただ叫び声を垂れ流していた、きっと、首から下がないせいだ、とおれは思った、息を継ぐ必要などないのだ、これは叫びのように聞こえるが、叫んでいるみたいに見えるが、本当はきっともっと別のものなのだ、なにかしらおれの見当もつかない理由でこいつらは存在していて、血走っていて、叫んでいる、そして、おそらくその感情は空っぽなのだ、叫びが記録された五分程度のオートリバース・テープが再生されているのだ、それは不思議なほどアナログなイメージだった、それはきっと目の前のこいつらが表面上、人間の名残のような
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