真白な記憶、落下、ああ、二度だけ鳴る。/ホロウ・シカエルボク
、ついでに希望も―スカイダイビングのようにうつ伏せになって落ちていたので、数分後か数十分後には自分の肉体が激突するだろう地面を存分に見ることが出来た、速度の中でぼんやりとようやく考えたことは、これは夢の中なのだろうか、ということだった、それならばこの突拍子もない状況も素直に受け入れることが出来るのだ、仮に、と俺は風になぶられながら考えた、仮に夢だとすれば、なにも抗うことはない、これが夢ならこれから先、どんなことが起ころうとも怖れることはない、所詮は夢の中の出来事なのだから…夢だと言い切れない理由がひとつだけあった、「それまで何をしていたのか思い出せなかった」そういうことだ、それも夢の特徴のひとつで
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