wonder boyA/opus
はしたない香り
騒々しい夢
あぁ、休日だというのに
ひそめやしない
コントロールされた事情
紫色の花
黒い残像
ふと、自転車
トラックに突っ込む
10歳ほどの男の子
運転手降りてきて、
「坊主何してる?」
坊主、顔を上げ
「父ちゃんの仇??」
そう嘆く
父ちゃんの仇、
彼がそんな訳はないのだ
彼は僕のよく知った男で
30ばかりの男で
2児の父親だ
誰かを貶めるような考えを持てるような
男でない
そして、坊や
坊やの父親は元気にピンピンと生きている
だって、遠くの方からこわい顔して
近づいてくるものがいるが、
彼の顔は坊やそっくりだ
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