ぼくはこのさきも花を育てることなどないだろう/ホロウ・シカエルボク
 
にしてみればどこかの政治家の後援会と同じで
あることは知ってるけどそれ以上のものではない


シャルロット・ゲンズブールがしばらくぶりに歌声を発したときの
センセーショナルなアルバムが紹介されている
彼女がテレビ・ショウで歌っているのを観たことがない
ぼくはそれをときどきとても観たいと思う
だけどそれは思い出しかけたメロディのように
一瞬のちにはどこかへ居なくなってしまう
歌がうたえるだけのシンガーや、楽器が弾けるだけのプレイヤーなんて
ねえきみ、もうたくさんだと思わないか
ぼくたちが求めたのはいつだって
それだけの音楽ではなかった


たったひとつの視点をよりどこ
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