ぼくはこのさきも花を育てることなどないだろう/ホロウ・シカエルボク
 
どころにして語ることは
たしかに迷いのない行動ではあるけれど
たったひとつのものしか生み出せないことは明白なわけで
もしもそいつをどうにかしようとやりくりしたところで
単純ななりたちはどうにも出来ないのさ
週末の夜に
街路をうろついてる楽しげな酔っぱらいとおなじことさ


真夜中なのに、どこかの部屋のドアベルがけたたましく鳴っている
こんな時間にだれかを訪ねて来なければならないひとの事情というのはどんなものなのか
ぼくたちはひとしきり議論する
つまらないシンガーにあきあきしていたところだったから
それはちょっとしたゲームみたいで楽しかったんだ




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