Here comes the spring/るるりら
 
った。百科事典は皿として以外には読む楽しみも、あると教えた。
かれの教えは 川のように流れとおい海の見渡せた。

【comes 】
彼が問いつづけていたヒトとはなにであるか。恋のつややかさと幽玄についての 果てしない憧憬のまなざしが瞼の間から ほんのわずかの隙間で醤油のように 見つめていた

彼の皮膚は すっかり骨と皮のようになりおだやかな顔をして 逢いたいヒトのことを上手に生き難いヒトのことを待っていた。

故郷の来現。

【the】
やがて、彼は呼吸をやめた。
旅支度に白い足袋をはくと、みずかきで泳いだ日が 蘇ってきた。胸のところに冥銭を渡されて 彼は棺
[次のページ]
戻る   Point(2)