Here comes the spring/るるりら
は棺は灰色の霞の中を流れてゆく
【spring】
満開の桜は今が盛り。 葉桜になるころに、わたしは「きざくらあぽん」と 歌いだすだろう。
いのちが どれだけ流れただろう 無数にながれた。祖母が幼い我が子を何人水子として供養してきたのか不明としたくなった頃に 河童は祖母の我が子としてやってきた
やがて 祖母は私の母をみごもり、いずれ わたしが生まれた。
わたしは河童を忘れない。
ヒトとはなにかを問いつづけた河童。
ヒトの描く妖艶な河童の絵が とおくで ゆれて
河童のひきだしからも 春が とびだしてくる
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