悠久アンダーグラウンド/薔薇の人
 
けばバルコニーの床にへたりこんでいた。

結局、
不快なことを避け、嫌なことは見ないふりをし、
現実という現実から逃げ続けてきた私には
それを実行する勇気も度胸すら微塵もなかったようで
ただ漠然と変わりたいと願うだけの小心者なのでした。


「手を滑らせて死ねば良かったのに。」


言葉だけは何とでも言えるから。


私は再び窓と漆黒の遮光カーテンを閉め切り
まだ余韻の残るふわふわとした感覚を抱えつつ
ベッドに体育座りをする。

独り孤独に包まれたこの空間で
そっと目を閉じて何も考えないことに専念する。

過去のことなんて総て濁流に飲まれて消えてしまえば
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