悠久アンダーグラウンド/薔薇の人
見下ろした。
ぼやけてきた視界に映るそれら日常の集まり
どこへ向かうかも分からない自転車や自動車
そしてこの町の住民たちをぼんやりと見ながら
みんなはどうして日常を正常に送れているのだろうと
長年に渡り疑問に思っていたことを思い出した。
私が異端ものだと気づいたのはいつだっただろう
心に暗雲が立ち込める予感がしてきて、
他人と比べるのはやめた、ろくな事がない
とばかりに再び空を仰いでみる。
太陽は雲に隠れても尚、微かな陽光を町中に捧げている
私も、太陽のように、己を遮る障害物があれども
それを凌ぐパワーを持てていたのならば
今頃こんな生活を送っていなかったのか
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