悠久アンダーグラウンド/薔薇の人
お酒とお薬、たったこれだけのものが救った。
単純なものなんだな、人間って
その日から私はケミカルに脳を委ねることを覚えた。
昨日今日明日からもずっと
こうしていられたら良い。
いくらか下界も綺麗に見えるかもしれないと
おぼつかない足を引きずって窓辺へ向かう
閉め切っている漆黒の遮光カーテンをあけてみた。
太陽が私を見つけて陽光を強かに打ちつける
眩しい。でも、悪くはないと感じた。
そのまま窓も雨戸も開けてバルコニーに出る
先ほどよりもお薬が効いてきたようで
よたよたとしながらもバルコニーの塀に辿り着き
そっと頬杖をつきながら久々にみる人間世界を見下
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