月の町 お題、即興ゴルゴンダ(仮)より/田中修子
少女のゆくすえの町として絵入りで紹介されるほどには。
しかし、実際に月の町に住まう彼女たちに聞くと、来たいと願うことはあまりなかったのに、気づいたらここにいて、出られなさに命を断った町人たちも多い、とほほ笑みながらいう、そのほほ笑みはほんとうに無垢だが、どこかおそろしい。
化け物そして精神異常者の女の町ときいて、淡い幻想を抱いて好奇心でやってきた男たちもいる。
《こころに傷を負った妖精さんをささえたいのです、そうしてぼくを受け入れてください》《あたしもほんとうはこの町に住む資格があるんだわ、性器を切除さえすれば》《いままで病気の女の人をたすけてまいりました、そういう人なしに俺もい
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