雪原の記憶/山人
 
のために小枝の先の冬芽を求めて出歩く。
また、一月を過ぎると既につがいを形成するようだ。
餌を食べたり、つがいの相手を探したりとあちこちを動き回る。キツネやテンなどの天敵から逃げたりする時間帯でもある。
夜が明ける前に、ウサギは寝屋と呼ばれる場所を選び身を隠す。
ほぼ同じ区域に生活しているが、寝屋は一定ではない。
寝屋の特徴は雑木が傾斜した根元の雪の中をシェルターとして利用するのである。
シェルターを確保し、日中はそこでじっと休み夜を待つのだ。
 当地区では、ウサギは古くから冬場の貴重な蛋白源として、狩猟が広く行われていた。
昔は、全域の男達が銃を所持してた時代があったという。

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