どこに居るの、沙織。/ホロウ・シカエルボク
 
程に辺鄙なところに居るのだろうということも理解していた。これからどうなるのだろう、時々はやはりそんな風に考えた。でも考えたところでそれ以上どうなるものでもないのだった。薄暗かった空はそろそろ明けようとしていた。今日は凄く良い天気になりそうだ、少女は空気のにおいでそれを知ることが出来た。


 ショッピングモールのスターバックスで適当に注文を済ませて、小さな席に身体を預けた陽平は、この三日ほどのことを幻視のように思い返した。約束をしたガール・フレンドは何時間待っても現れなかった。メールにも、ラインにも、電話にも返事を寄こさなかった。彼女は他所の土地からこちらにやって来ていて、自分の他に定期的に
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