どこに居るの、沙織。/ホロウ・シカエルボク
 
っと、自分がなぜここに居るのかということについて考えていた。死んでから二日ほどが過ぎただろうか?考えてもなにも答えを得ることは出来なかったが、彼女の精神はだいぶん落ち着いて居た。生きている間彼女は迷い続けていた、見知らぬ場所で、死んだのに生きている自分の現状は、それまでの人生から比べれば多分に興味深い状態に違いなかった。だから彼女は自分の死体のなかで、あらゆることを考え続けていた。どうしてここに来たのか、ここは何処なのか、自分で来たのか、連れてこられたのか。どうして覚えていないのか、どうして死んでいるのか、どうして死に切れていないのか。生き返ることは出来るのか、生まれ変わることは出来るのか、誰かが
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