どこに居るの、沙織。/ホロウ・シカエルボク
 
うか?何日が経過しても、少女は自分のことを思い出すことが出来なかった。死んでしまうとそうなるのだろうか、と彼女は考えた、肉体のどこかにそういう、現実的なことを記録する箇所があって、肉体が死んでしまったから、精神がアクセスすることが出来なくなったのだろうか?記憶がそんな風にセクション別に記録されるなんて話は聞いたことがなかったが、そう考えるとまるで思い出せないことについて納得出来るような気がした。さて、と彼女は窓の外を見た。また夜になっていた。体感的なものがまるで失われているせいか、それはいつも気がつくとそうなっていた。どうしてなんだろう?と彼女は考えた。彼女はもう眠ることもせずに、一日中そこでいろ
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