どこに居るの、沙織。/ホロウ・シカエルボク
いろいろなことに思いを巡らせているというのに、朝や昼や夜というものの変化をほとんど感じることが出来なかった。それは気がつくとすり替わっていた。きっと、やたらと考え事をしてるせいなのだろう、と彼女は思った。現に、幾度かは明るくなる空を、暮れていくときの真っ赤な空を、この目にしたではないか?きっと、考え過ぎるのだ。肉体がないせいで、疲労を感じない。だから、考え込んでいるととことん考え込んでしまう。例えて言うなら、とても面白いゲームに一日入れ込んでいるような状態が毎日続いている、というような感じだ。味気ないな、と少女は思った。自分はどちらかというと感情の起伏が少ない方だと思っていた。でも意外と、気づかな
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