ムーミンについて(その三)/tonpekep
 
える。エスキモーが住んでいるアラスカと同じ緯度にあるのだから、ムーミン谷に住む人々が冬眠するのもなるほど仕方のないことかもしれない。

長い冬の空にはときどきオーロラが架かり、太陽が昇らない日もある。逆に夏になると太陽が沈まない。自然は豊かである。たくさんの珍しい植物があり、たくさんの種類の昆虫が住んでいる。ムーミン谷に偉大な植物学者のヘムレン教授が暮らしているのも納得できる。

ムーミン谷はそういうフィンランドの風土の中に設定されたひとつの理想郷といったところか。谷は海に面してあり、東に「おさびし山」が高く聳えている。谷の真ん中を川が流れていて、北に大きな森が広がっている。西側の海を望む
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