ムーミンについて(その三)/tonpekep
望むとニョロニョロの島を遠くに見ることができ、村を出るにはこの海を渡るか、峠を越えるかしないと行けない。ただ、谷の住人たちはほとんど谷から外に出ることはなく、農作物や海産物を収穫しながら自給自足しているらしい。唯一例外として、スナフキンが冬になるとムーミン谷を出て、どこかへ旅に出掛ける。
ムーミン谷には通貨があるが、それを使って物を買うという場面は見かけない。各家庭は十分な生活力があり、むしろ過剰にあるのではないかと思えるほどだ。ムーミン家ではよくパーティーを開いてはお客様をもてなしているし、尋ねて来る人には惜しげもなく食べ物を与え、そして泊めてあげる。恐ろしいくらいの寛容さだ。ミイーやフロ
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