開かれた牢獄の中でみんな目的だけが未来だと考えながら生きている/ホロウ・シカエルボク
ことだってきっとあるに違いないのに。そうさ、情報やプロセスを無暗に信じてしまう人間は、そうじゃない場合があるなんてことについて一度も思いを巡らせたことがないんだ。きみ、鍵を捨てろよ。そのドアはもうすっかり壊れてしまっていて、もう二度と開かれることがないドアなんだよ、ぼくはさっきからそう教えてあげられるチャンスをみつけようと愚かしく奮闘するきみのことを眺めている、でもそれにはもう少し待たないといけないだろう。いまのきみはとても躍起になってそれを開けようとしているので、ぼくの言葉などきにも止めやしないだろう。もしかしたらドアのことにばかり神経が行ってしまって、ぼくが話しかけたことにすら気づかないかもし
[次のページ]
戻る 編 削 Point(2)