あの娘の胸に赤いバラ/ホロウ・シカエルボク
持っていたカッター・ナイフでそいつの解放を試みたけど
致命的なまでに喉を切り裂いてしまったのはきっとわざとじゃない
あれは
路を打つ雨の音だったのだろうか
となりでふるえていた君の
涙のように思えたのは
時々思うんだ、この世界は
誰もが誤解し易いように造られているんじゃないかって
結構な数の人間が俺みたいに些細な瞬間を間違えて
ルートを外れていくのを楽しんでいる誰かが居るんじゃないかって
「クロス・ロードに立って」なんて
年代物のフレーズをリサイクルして
小憎たらしいことを言いたいわけでもないけど
なぁ、時々思うんだよな
人間なんて未だそんな
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