開拓村/山人
しがれていた
父はただ力を鼓舞し、母は鬱積の言葉を濾過するでもなく
呪文のようにいたるところにぶちまけ
そこから芽吹いたアレチノギクは重々しく繁殖した
学校帰りの薄暗くなった杉林の鬱蒼と茂る首吊りの木
きちがい鳥が夜をけたたましく鳴き飛ぶ
オイルの臭いから生まれたリョウは
月の光に青白く頬をそめ薄ら笑いをしている
白く浮く肌、実母の肢体を蔑むでもなく冷たく笑う
リョウは婆サァん方へ行った・・・
いつもリョウは忽然と消え、ふいに冷淡な含み笑いをして現れる
頑なだったリョウ、そしてリョウは死んだ
夢と希望の排泄物がいたるところに散乱し
その鬱積を埋めるように男たちは闇をむ
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