開拓村/山人
 
した少年期を過ごしていた。
 私は良に常に魅せられていた。
良は父を林業で亡くし、おそらくであろう、援助を受けていた家庭だったのかもしれない。
良の実母が初老の男と交わる様を、冷酷な目で冷笑していた時があった。
まるで良は、感情を失い、冷徹な機械のようでもあり、いつも機械油のような匂いをばらまいていた。
良の目は美しかった。遠くというよりも魔界を見つめるような獅子の目をしていた。彼は野生から生まれた生き物ではないか、とさえ思った。
良は、いつもいなかった。良の母が投げつけるように「婆サん方へ行ったろや!」そういうと、私は山道を駆け抜けるように進み、しかし、いつも良はいなかった。
 今
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