開拓村/山人
滓。それが私たちだった。
初雪が降ると、飼っていた家畜があたりまえに殺された。豚の頭をハンマーでかち割り、昏倒させ、頭を鉞で?ぐと血液が沸騰するように純白の雪の上にぶちまけられ、それを煮た。
寒い、凍るような雪の日に、豚や山羊はは断末魔の声を開拓村中響かせながら殺されていった。
傍若無人な荒ぶる父たちの悪魔のような所業、そして沸点を超え父たちは狂い水を飲んだ。
良という三学年上の遊び友達が居て、危険を栄養にするような子だった。橋の欄干わたり・砂防ダムの袖登り・急峻なゴルジュを登り八〇〇メートルの狭い水路トンネルを通ったこともあった。冬は屋根からバック宙をしたりと、危険な遊びを主とした
[次のページ]
戻る 編 削 Point(5)