美しいひと/日時計/ただのみきや
 

今では小鳥のさえずりや
ああ懐かしい 子どもたちの笑い遊ぶ声が
聞こえて来るようで


わたしの心は今も変わらず牢獄にいます
怒りや憎しみ妬み
あらゆる汚物が溢れ悪臭が満ちている
きっと死ぬまで変わらない
あの影だって今もわたしにぴったり寄り添って
わたしが再び振り向くこと待っている
でも それがいったい何でしょう
顔を光に向けて
この牢獄の外へ 
夢中になって思いを馳せているわたしにとって
それらはもう在って無いようなもの
忘れ去られたものなのです


その美しいひとは
決して美しいものだけではないこの世の片隅で
まるでそここそ満ち満ちた命の源泉が
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