小川/ただのみきや
 
ぐ営み


あどけない小川
底が透けて見える
若々しい迸りに
映し 頂く
木々の華やいだ踊り やがて
その装いを脱ぎ捨ててむき出しの生を晒す
知らずに
触れることもないまま
破れた天の広がりを
縁取る巨大な白雲の
無から膨れ上がり
また消えて無に至る有り様を
有無も言わさず青く塗り隠し底を見せない
太陽のさんざめきは水面に跳ねるが
夜は 空の向こうにあるものを見せてくれる
静かに降り注ぐ
重さもなく
水の肌を包む
無限を
ああ膝頭ほどの深さ
ささやかな流れは
万象を借り受けて纏いながら
なにも知らないまま


冷やかに流れるその身に泳ぐ

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