夢夜、二 「春祭りの日に」/田中修子
として、この国の王家の暴走を止めるために送り込まれたのが私だった。必要ならば刺客として、王家すべてを殺せる秘薬の知識を持っていた。
そこで、間違いが一つ起きた。
私が、王子を、この家族を、この国を愛したのだ。そうして、不死の薬の完成を手伝った。永遠に愛する夫と、家族と、この国といるために。
不死の薬が完成したと思われた時、王と女王と王女、そして王子、私は、その祝いの盃を飲んだ。
天からの罰だったに違いない。その瞬間、王家は、不死に近いものは得た。他国を操るような、なにか不思議な強大な力も得た。しかし、天候は荒れ果て、病が蔓延し、国はいっせいに滅びへの赤い道を駆けだし始めた。梅の
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