『 風 車 』/ハァモニィベル
『 風 車 』
寂しい路の傍に、忘れられた
風車(かざぐるま)売りの 荷台が一つ
ポツンと、あった。
風の強い日
色付きの 沢山の風車が、、
虚しく 激しく、そこで廻っている。
*
サティロスの心を朝の陽は照らしていた。
苦しみの赤く長い舌
その朝日の中を、
孤独な「悪魔」が歩いて行く
食い破った良心の牙が曖昧な痛みに疼きながら
内側を、黒く奔る痛み
*
真実を言うと憎しみを受ける
そんな、
噂が流れていた。
*
風にいたっては、気まぐれで、
思う時思うように吹いてはくれない
*
ひとりで
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