風物詩/なけま、たへるよんう゛くを
とす
友達だった 君の咥えた
赤いルージュの口紅落とす
コップに媚びり付いた垢
洗いざらい 水に流す
艶色から プラスチック音から 台所洗剤の効き目から 白ちゃけた紅指し指から 硬水道水の匂い立ちから
人体の 味はしない
/夜が来て 夕陽とはぐれ 気付くのは
実りえた芽の 影もなき事
/煙たい悪寒の淀みに根差す 崩折れて傷んで花は花
軋む扉に手塩を掛けて 開けるに費やす自重の積もり
シャワーから夏が垂れて 君が二十歳に戻る寸暇に
先っちょの鋭い味付けで 僭越ながら根回し夜食を
/贈答品=くれて開ける
/飽き
カルシウム 食べてますか
健やか健やかしてますか
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