風物詩/なけま、たへるよんう゛くを
 

家にはなんにもなくていい
 空っぽで俺を迎えてくれ
/雨の只中赴く風呂屋 天の橋掛け明るくフロア 感動まかせに墜ちる太陽 今夜出掛けたら許さない
/キリンの背脂を奪った
羽虫擁する藪の中飛び
虎の門抜け屋敷の塀越え
鉄の作付け片付けて
一株睨めつけ唾飲んだ
朱い御身をもぎ取った!

/甘い露降り落ちる底冷やしの鎌
提供は事勿れ主義社
港は盛況遺骸に満つ
樽酒割っちゃその髄浴びる
そして祭壇に下りた褒賞には 本物になれなかった劣等どもの指紋が累々と 累々と要らない
/真人間ぶっちゃっても
鏡よ鏡は嘘が吐けない
奥じゃ自切した痕が火照る
お前のみが恥を知る

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