懐かしくない / ある女の子篇/末下りょう
 
衣で花火大会に出向く夕焼けの列をみてた
色鮮やかに家族も見えなくなった
ジャージと仮病のマスクがわたしの戦闘モード
理屈じゃないものを浮かび上がらせるための理屈を掘りあてる
昼間の陽を浴びすぎた日没
塾でつかまえた火の虫が茜の雲に消えてく
友情のための友情なんかしらないしいらない
わたしははじめて逢うもののために生きて探しあてる
わたしは親殺しと子殺しと食人たちをよく知ってる
それはわたしが演じたいと思ってた役柄に役立つ
生まれ変われるなら雨女の少女か感度抜群の美少女にする
誰かが正しい答えを持って待ってるわけじゃないことくらい知ってる
セパレーションイニシエーションバンバ
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