懐かしくない / ある女の子篇/末下りょう
書忘れて
隣の席の子ともっといろいろ話したい
そこから始めたりしたい
自分を好きじゃないなら誰も愛せないんじゃなくて誰も愛せないよな自分なら好きじゃない
言葉の起源は差別じゃなく信頼だきっと伝わるとあてもなく信じきること
壊れた光しか色彩を生めないとしても
学区とスクールカーストの明確な同調
みんな行きたくもないアビリーンに歩きだす
幸せな子なんてそこにいない
目的を見出だすには戦いのなかに身を置くしかない
学級崩壊した理科準備室で舐めたきみの膝の味は運動場に埋まる不発弾
ケツ顎のジョックたちは笑って紙コップを投げつけてくる
デトロイト化したわたしの学区の子たちが浴衣で
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