創作童話詩/水菜
なしに流れて、地面に生えていた紅い芥子の花を茶色くしおらせ始めました
「お母ちゃんお母ちゃん泣かないで」
鬼の固い髪に居た子鬼達がわぁわぁと叫び始めました
困惑した私は、手を止めようとするけれど
鬼は許してくれません
ちりちりした電気は、そのうち耐え難いものになって私は鬼から手を放してしまいました
鬼は、おわぁおわぁと泣きながら虹色に発光し始めました
子鬼たちは、私の服の裾を掴んでびーびー泣いています
虹色の鬼は、そうして消えてしまいました。
鬼の下にあった紅い芥子の花は一輪残らず枯れてしまい、灰になってしまいました
後に残されたのは、薄紅の山茶花の花だけです
炎を雨が残らず
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