創作童話詩/水菜
 
なっていて
それがたまらなく悲しくて兎だから涙が出ないと変な解釈をしながらも周りに八つ当たりをした



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    『時の境目』

突き当たりにあるのは、時の境目に違いなかった。
僕は、初めて世界を知った気分で、貪欲に辺りを飽きもせず見回った。

虹色の橋の下には、霞を口にするトキがいて、羽根を一枚一枚抜きとっていた。

まるで、こんなもの不要だとでもいうかのように、あっさりとそれは捨てられていた。

不燃物をあきらめたようにおきはなした足元には、湿りきって役に立たないマッチの箱が未使用のまま投げだされている。

僕は、ここに
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