創作童話詩/水菜
 
こにきた誰もがそうしたように、それらを空気のように眺め、そこに、新たな不燃物をおきはなした。

不燃物は、動きだすことはなく、僕は、それを当たり前に理解していた。

不燃物として、そこにすわりこんだ僕は、不燃物になりきっているだろう見知らぬ男に話し掛けた。

男は、タバコの煙りを吐き出しながら、物憂げな表情で、すべてを放棄したかのようだった。

霞を食べては、羽根を抜き取るトキを見つめながら、男は、空っぽだからと口にした。

不燃物になった彼等は、放棄して、期待することを忘れた。

わざと羽根を抜き、霞を食べている。

時の境目で、僕は、貪欲にそれを求めた。



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