創作童話詩/水菜
 
た姿のままの疎遠になっていた幼馴染
ぼうっと寒々と凍る雪景色を眺めて寒くないのか白い面で身じろぎもせず其処に居る
氷の雨が降るから気をつけた方が良いとそれが言うものだから長い耳を押さえて気をつけると
降ってきたのは尖った氷

岩場に突き刺さってはかすめてカキンと折れる

いつごろこっちに来たんだいと白兎のまま尋ねると
それはなにごとかぼんやりつぶやいたきりまた無言になってしまった

麦の穂の上を走ろうと持ちかけたのは幼馴染の方だ

白兎の私をひょいと持ち上げるとやすやすと麦の上に立ちそこから眩暈のするような雪景色を眺めた

広大な麦畑の上を走りきった時には私は独りになっ
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