創作童話詩/水菜
 
込められているのでしょう。

気が付いたらここに居て気が付いたら全てが架空のものでした。

しかし淋しくはないのです。

ぱちんぱちんと消える泡は、望んだ時に望んだ形で前に現れるのです。
そもそも感情をどこかに置いてきたようでどうにも感覚が鈍いのです。
感覚全てが夢の中のようでひどく実感が薄いのです。
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でもこの頃様子が変なのです。

今までぱちんぱちんとすぐに消えてくれるはずの架空の存在が少しずつわたしに近づいてくるようになりました。

透明な少年は、顔を見上げるようになりましたし、赤い指の少女は時折寂しい顔をするようになりました。
擦り寄ってくる犬は近寄ら
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