創作童話詩/水菜
いたから怖くはなかった
ぼくは一番最後でそっと主人の枕元に身を寄せた
主人の身体は傷だらけで頬には涙の跡がついてる
そう僕は指だから傷つけるのが嫌になった
ぼんやり青く照らされる月の光に浮かぶ主人の頬を見てる
目を見開いた彼女がおかえりなさいと口にした
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『泡』
泡を吹いているよ。
ぶわぶわぶわぶわ
透明ないくつもの泡がそこにはありました。
わたしは、そこで赤い指をした少女にシャボン液を渡してあげたので少女は嬉しそうに笑って幾つものシャボン玉を作っては飛ばしていました。
ぱちんぱちんと幾つもの泡が弾け
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