混沌を解いたところで簡単な現象にはならない/ホロウ・シカエルボク
 
じさ―あんな風にしばらくの間グズっていたんだ、それでもなんとか回復することが出来た、そうすると今度はちがう病室に移された、檻のある、検査や治療のあまりない病棟さ、そこがどんなところかもっと詳しく説明することは出来るけれど、それ、あんまりやりたくないんだよな…まあでも、だいたい判るだろ、なんとなくな―そこではいろんな人間がいろんなやり方で停止していた、それは俺のようにある程度の段階を踏んで止まったものではなく、ある日突然に止まったりしたもののようだった、時にはそこからさらに絶対的な停止の中に行くものも居た、彼らの誰かが不調になって枯れた木のように床に倒れるとき、俺はそれで自分の命が儲かったみたいなそ
[次のページ]
戻る   Point(5)