メリーゴーランド/水菜
 
ら見上げる私の視線と別に、独立して見えてくる私のすごく近しい私の感触は、私を、ひどく安心させる。
私は、私が触れる窓枠の感触と、私が人の温かみを持った肌を持っていることを、唯々確認出来ている事実に安心している。
つまりは、手のひらから繋がる私の上半身が、私に身体から発するわずかな温かみや、血肉の脈動を、心臓の鼓動の震えを、私の身体から発する様々な生きている音を自然に、何気なく聞き取りながら、私は、私の身体が、私の意識と繋がっていることに、安堵している。

しかしながら、私は、もう一つ私を知っている。それは、窓を開ける私を下から見ることが出来る視点で、ある私だ。
はたして私の意識は、二つに
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