父が書いた詩/岡部淳太郎
の池の中に
大地はこれを見、聞き、而して黙していた
空には月が輝き 星が笑つていた
遠く、近く、弱く強く、万古不滅に
そして今とくと見よ
そこには緑したたる若葉の木蔭
清冽玉をなす紺碧の流れ
金波銀波とおし寄せる憩いの原に
人には幸福に歌いさざめき
美しい恋と、友情と、真実と、自由と
そして又善良なる支配者と
だがよも知るまいの
御身等が足下に横たわる
血の流れと骨の山とを
奇しくも大地は黙し
月は輝き 星は笑ふのみなるが故に}
一読して意味が読み取りづらいが、長い年月の上に立つ現在という時をうたっているのだ
[次のページ]
戻る 編 削 Point(6)