最後の発明その発光・わたしはかなしかった/初谷むい
だ。呪いは解かれない。きっと彼はずっと、呪いを解かない。
わたしはヒロサキユウゴのことを「本当に」好きで安心した。知ってたよ。あなたが埋め込んだ機械のこと。最後の発明。あなたのことが好き。こんなものがなくても好き。好き。好き。好きだよ。
「マミカ」
ヒロサキユウゴがわたしの名前を呼ぶ。ヒロサキユウゴはわたしのことをきっと一生知ることはないのだろう。一生そばにいるとしても、いつかわたしに飽きてしまう日が来るとしても、わたしの気持ちを知ることは絶対にないのだろう。ヒロサキユウゴ、かわいそうだね。あなたのことを愛しているよ。
「マミカ」
暗闇の中で、ヒロサキユウゴがわたしに
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