うみのほね/田中修子
 
てその水を集めて飲む。酸性で、舌がぴりぴりする。そんなことをしていると夜の九時くらいに真さんがコンビニエンスストアで要らなくなった期限切れの弁当を二つ、持って帰ってくる。一緒に平らげてから、真さんはきついお酒を飲み、お風呂に入ってノイズしかうつらないテレビをじーっと見る。そういう光景を見ていると、いつも私は眠たくなって、ソファベッドか床で眠ってしまう。気が付くと朝になって、蕎麦を食べる。その繰り返し。

 -その筈だったのだけれど、真さんは昨夜、私が眠っているうちに手首を切って死んでしまった。
 ユニットバスのトイレを使おうとしてドアをあけた。浴槽の数センチを血で埋め、ほとんど千切れかけた手
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