うみのほね/田中修子
ないけれど。どうやらわたしたちは、昔の人よりずいぶん頭が悪くなってしまったようだから」
真さんはさみしげに笑う。
真さんの朝ごはんは、いつも前日に茹で上げて冷蔵庫に突っ込んでおく、ひからびかけてかたまった蕎麦だ。そこに冷凍のとろろをかけ、時たまウズラの卵をかけ、最後に醤油とマヨネーズをかける。私は真さんの朝ごはんを気に入っている。栄養価もカロリーも高いし、おいしいし、朝ごはんを誰かと一緒に静かに食べられるというのはとても気持ちがいいものだ。真さんはぺろりと食べ終わってから、静かに立ち上がって、そのまま行ってきますも言わずに出て行く。私はだいいたいまたうとうとと眠ってしまう。
目を覚ま
[次のページ]
戻る 編 削 Point(7)