うみのほね/田中修子
トが輝くファーストフード店で笑顔を売るか、それともコンビニエンスストアで便利を売るかどちらにしようかと迷ったのだけれど、笑顔を売るのと体を売るのはほとんどスレスレなので、便利を売ることにしたと言っていた。
キレイも便利も、多分よいことや悪いことも、人は作ってお金と引き換えることが出来る。何かを爛れさせながら。それに我慢できない私。我慢できない私をゆるしてくれる真さん。
真さんと私は陽の当たらない高層マンションの、暗いけれど清潔なワンルームの、唯一の埃みたいに生活している。大昔に乱立建設されたそのマンション群の中でも、特に奥まったところにあり、高速エレベーターを乗り継いでも地上に降りるのに三
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