うみのほね/田中修子
また探すのは、なんだかとても気力のいることだと、二人の男の人のうちに一日ずつ寝泊りして気付く。会話を楽しむとか、セックスを提供することとか、私には、もうそんな気力は残っていないのだ。真さんの死に魂の一部を持っていかれたような、そんな感じもする。でも、それでもいいのかもしれない。赤い浴槽で眠っている真さんのとなりにいる、私の魂のかけら。目をつむっている真さんによりそって、真さんが目を覚ますのを待っている。あの、静かだった日々が帰ってくるのを待っている。
私は街をさまよい、ふと異臭がする方へと足をすすめていった。箪笥、冷蔵庫、車、扇風機、仏壇、画面の割れたテレビ……、ありとあらゆる粗大ごみの群
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