うみのほね/田中修子
私たちの階層にとって、明日はわが身というのは暗黙の了解だったし、みんな外界に対して無関心なので、自分の生活に一人異質なものが入ってきてもどうでもいいみたいだった。だから泊まるところだけはいつもタダでなんとかなった。 男の子には求められ、そんなに嫌な相手ではなければ交尾みたいなのを、する。
だんだん泊めてくれる知り合いが増えていった。簡単に出来るからか、はじめは男の子から男の子への紹介が多かった。そのお兄さんやお姉さん、その友達。
中には数年前まで同じような生活だったという人たちもいた。そういう人たちは一様に親切で、一ヶ月くらい泊めてくれたり、期間は短くても食費分をおごってくれたりして、便利だ
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