うみのほね/田中修子
私は中学を出て、友人の家を転々としながら生きていた。時たま家に帰ったけれど、親は何も言わない。マンションの台所のテーブルやそこらには、たっぷりの食事やおやつが大量に何日もそのまま置かれ、腐って匂いを発している。骸骨のようにやせ細った母親は一日中台所に立って食べきれず片付けきれない量のご飯を作り続け、逆に腹が突き出しこの頃は屈むのも億劫そうな父は、そんな母を酒瓶片手に怒鳴りつけている。
私が時たま帰って片付けても、片付けても、腐ったご飯が堆積していく。
だから私は逃げたのだ。
泊めてくれる友人も、特に親しいわけではなかった。迷惑に思っていた人もいるだろうが、学がなくやる気もない私た
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