モラトリアム・オルタネイト/由比良 倖
 
ながら。本当に暇なんだ。煙草の吸い殻が床に5センチぐらい積もったよ。
「宇宙は変わっていくね」
相変わらずの窓の外。遠くの山が周到に調節されているかのように、季節ごとに色を変えていく。季節の匂い、を僕は嗅ぎ分けることが出来た。
相変わらず鳥は飛んでいた。あるいは鳥は暇なんて知らないのかも知れない。
でも、相棒のロボットは知っているみたいだ。
だからときどき、突然僕の足にペディキュアを塗ったりするんだ。変な奴だ。
「それは一体どんな趣味何だい?」
「ランダムさ」
僕たちは幾年も幾年も煙草吸った。ジョニー・ウォーカーの瓶も毎日一本は開けた。
僕の胸の調子がおかしくなり、また、体のあち
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