モラトリアム・オルタネイト/由比良 倖
これから僕がすること。
そうやって、20年くらい、窓の外を眺めていた気がするな。
そしたら、さっきのロボットが、少し新しくなって帰ってくる。
「一緒に煙草を吸わないか?」
なんて言う。
僕は、大量に備蓄されたマールボロを1カートン出してきて、それから特別にジョニー・ウォーカーの瓶まで持ってきてやったりした。
そしたらそいつは言うんだ。そいつって、20年前には、自己完結していたそのロボットだよ。今では僕の相棒なんだけどね。
「酔えるのが不思議だよ。ねえ、私はロボットだから酔えないんだ。羨ましいな」
なんて。それからだね、二人で並んで煙草を吸った。
「暇だねえ」
なんて言い合いなが
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