モラトリアム・オルタネイト/由比良 倖
 
を二週間分だけ、ミチルは、名前を覚えるだけでも大変そうな、様々な薬を大量に受け取っていた。けれど、料金はそんなに変わらなかったので、私は驚いた。たくさんの薬を貰うには、たくさんのお金がかかると思っていたからである。ミチルは薬局を出ると、すぐに薬を出して、薬局の前の自販機でアップルティーを買って、何錠か飲んでしまった。……

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受け継がれていく。風景は。しかし、断絶されたとしても、少なくとも否定してはいけない。それがかつて存在していたことを。そして不在からは、おそらく、たぶん、目をそらしてはならないのだ。絶対に。私は私について語りたいと思う。あるいは、私の感じている、世界について。そ
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